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ヒヨドリのヒヨ子のお話
ヒヨドリのヒヨ子のお話
 「ヒーヨ、ヒーヨ!」わたし、ヒヨドリのヒヨ子!大きい声だし、一年中日本のあちこちの場所にいるから、わたしの声を聞いたことある人も多いんじゃないかしら?
 実は、わたしたちのご先祖(せんぞ)さまは、春や夏には山の中や北の地方にいて、寒くなると街(まち)の中にやって来ていたの。でも、1970年ごろから、一年中街(まち)の中にすみつく仲間が増(ふ)えてきたの。だって、街(まち)の中でもけっこう林があって食べ物(1)
食べ物(1)
ヒヨドリは、昆虫(こんちゅう)やカナヘビなどの小さな生きもの、果実(かじつ)や花の蜜(みつ)など、いろいろなものを食べます。時には、春の芽吹(めぶ)きを待つ新芽や、キャベツなどの農作物も食べてしまい、人に嫌(きら)われることもあります。
にも困(こま)らないし、危険(きけん)な旅をするより安全だしね。今でも渡(わた)りをする仲間は、春と秋に群(む)れをつくって移動(いどう)(2)
群(む)れをつくって移動(いどう)(2)
1年中、街中(まちなか)でみられるヒヨドリもいますが、今でも多くのヒヨドリが渡(わた)りをします。10~11月ごろ、北海道などの北の地域(ちいき)や山にいたヒヨドリは、多いときには数百羽の群(む)れをつくって、よりあたたかい平地や街中(まちなか)に移動(いどう)します。そして冬をこし、春がおとずれると、元の地域に戻るため、ふたたび移動(いどう)するのです。
しているわ。

 わたしは街中(まちなか)にすんでるヒヨドリだけど、今は春で、子育てのシーズンなの。この巣(3)
巣(3)
ヒヨドリは、葉っぱのしげった木の枝(えだ)の間に、お椀型(わんがた)の巣を作ります。都会にすむヒヨドリは、材料(ざいりょう)に木の枝(えだ)のほかに、ビニルひもなども使います。街路樹(がいろじゅ)や、人家の庭の木などに作った例(れい)もあります。
、すてきでしょ!人間の家のお庭の木に作ったのよ。今の季節(きせつ)は、カラスさんたちも子育て中(4)
カラスさんたちも子育て中(4)
ハシブトガラスも都会での生活に適応(てきおう)した野鳥で、子育ての時期には、他の小鳥のヒナなどを自分のヒナにあたえることがあり、ヒヨドリのヒナもねらわれます。
で、わたしのヒナたちが襲(おそ)われることもあるのよ。でも、人間が近くにいるとカラスさんは近づきにくいから、わざとここに作ったのよ!

 さて、卵(たまご)からかえったヒナたち(5)
ヒナたち(5)
ヒヨドリは、3~5個(こ)の卵(たまご)を産(う)み、メスだけで卵(たまご)をあたためます。卵は2週間ほどでかえり、ヒナは10~11日で巣立(すだ)ちます。巣立(すだ)ったあとも、しばらくは親がヒナにエサを運びます。
に、栄養(えいよう)のあるものを運んであげなきゃいけないわ。チョウチョみたいな昆虫(こんちゅう)の仲間が多いけど、ヤモリをとってくることもあるのよ。けっこうやるでしょ!ちなみに、秋や冬は、昆虫(こんちゅう)が少ないから、木の実(6)
木の実(6)
ヒヨドリは、いろいろな木の実を丸のみで食べます。すると、お腹(なか)のなかで果肉(かにく)が消化され、フンと一緒(いっしょ)に出てくる種子(しゅし)は芽が出やすくなっています。ヒヨドリなどの野鳥によってアオキやトウネズミモチなどの種子(しゅし)が運ばれて、思わぬところで木が生えていることがあります。
をたくさん食べるわ。わたしたちは、木の実を丸のみしちゃうから、うんちの中にはタネがそのままの形で出てきちゃうの。これって実(じつ)は植物のタネを遠くまで運んでるのよ。おいしいタネを食べたおかえしみたいなものね。それに、甘(あま)いものも大好き。人間がエサ台(7)
エサ台(7)
野鳥の食べ物が少ない冬の間、庭やベランダなどにえさ台をつくって、ヒマワリの種(たね)やミカンなどをおいておくと、さまざまな野鳥がやってきます。ヒヨドリは、ミカンやジュースなどの甘(あま)いものを好(この)んで食べます。体が大きいので、他の小さな野鳥を追いはらってしまうこともあります。
においてくれるミカンやリンゴ、花の蜜(みつ)(8)
花の蜜(みつ)(8)
ヒヨドリは、ツバキやウメなどの花の蜜(みつ)も大好物(だいこうぶつ)です。ツバキの場合は、花に顔をつっこんで蜜(みつ)をなめるので、花粉(かふん)がついてしまいます。そのまま、他のツバキの蜜(みつ)をなめに行くことで、花粉(かふん)を運ぶ役目もはたしています。
なんかもおいしいのよね~。ああ、いけない、ヒナたちが待ってるんだった。早く獲物(えもの)をとって帰ってあげなくちゃ!

 

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