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カイツブリのブリママのお話
カイツブリのブリママのお話
 「キュルルルル~」こんにちは!わたしはカイツブリのブリママ!とっても小さな水鳥よ。池や沼(ぬま)、大きな川で生活してるわ。人間からはよく、「カモの赤ちゃんがいる!」と指さされるけれど、じつはカモじゃないんだ~。たしかに姿(すがた)はカモっぽいし、大きさが25cmくらいだから、そう見えてもしかたがないよね。ちなみにわたしはカイツブリの仲間のなかでは一番ちいさくて、冬になると、もう少し大きなカイツブリたち(1)
大きなカイツブリたち(1)
カイツブリは世界に22種、日本に5種います。東京湾(わん)では、冬になるとカンムリカイツブリやハジロカイツブリ、ミミカイツブリなどが渡(わた)ってきます。
が北国からやってくるわ。

 わたしたち、古くから人間のよむ歌(2)
歌(2)
7世紀(せいき)の後半から8世紀(せいき)にかけて、天皇(てんのう)からいっぱんの人まで、さまざまな人がよんだ歌をあつめたものを万葉集(まんようしゅう)といい、カイツブリをうたった歌も、いくつかでてきます。
に出てくるのよ。昔はカイツブリとは呼(よ)ばれずに、鳰(にお)と呼ばれてたみたい。日本でいちばん大きな湖、滋賀県(しがけん)の琵琶湖(びわこ)には、わたしたちの仲間がたくさんいたみたいで、そのころの人は琵琶湖(びわこ)のことを、「鳰の海(にほのうみ)」って言ってたんだって!だから滋賀県(しがけん)の県の鳥はいまでもカイツブリよ!

 ところで、わたしたちカイツブリは、カモにはできない得意技(とくいわざ)(3)
得意技(とくいわざ)(3)
カイツブリは、水の中を10秒以上(いじょう)ももぐることができます。
をもっているの知ってる?その得意技(とくいわざ)のおかげで、カワセミやサギのみなさんたちと同じような食べもの(4)
食べもの(4)
水の中をもぐって泳ぎ、モツゴやタナゴなどの小魚をつかまえて食べます。
をつかまえることができるの。私の姿(すがた)を観察(かんさつ)したら、すぐに分かるはずよ。

 そうそう、最近(さいきん)、がっかりすることがあったの。それは、わたしとだんなさんで作った巣が、こわされちゃったこと。せっかくタマゴも産(う)んだのに、、、、。原因(げんいん)は釣(つ)りをする人がなげるルアーなの。釣(つ)り人は、わたしたちがあんな所(5)
あんな所(5)
スイレンなどが生い茂(しげ)る水草の上に巣を作ります。
巣(6)
巣(6)
水草のくきなどを集め、こんもりとした山をつくり、そこにタマゴを産(う)みます。巣はそれほど丈夫(じょうぶ)ではないので、大雨などでこわれてしまうこともありあます。
をつくるなんてしらなかったみたいで、針(はり)がひっかかって壊(こわ)れちゃったの・・・。水草の下って魚もいるから、よい釣(つ)りポイントなのよね。でも気を取り直して、だんなさんとあたらしくものをつくったの!まえよりもすてきな巣になったから、きっとだいじょうぶ!

 と言いつつ、、、じつは不安はそれだけじゃないのよ。ずいぶん前から、わたしたちが住むこの池に、ブラックバス(7)
ブラックバス(7)
カルガモとおなじく、カイツブリのヒナも、産(う)まれて間もないころは、ブラックバス(正式にはオオクチバス)などの肉食の魚に食べられてしまうことがあります。
って大きな魚がいるようになったの。人間がつれてきたってウワサよ。こいつがすごいくいしんぼうで、なんとわたしたちのたいせつな赤ちゃんを下から食べちゃうのよ!それを聞いているから、しばらくは背中(せなか)にのせて(8)
背中(せなか)にのせて(8)
ブラックバスなどの天敵(てんてき)からヒナを守るために、小さいときは、親の背中(せなか)にのってしばらくすごします。
お散歩(さんぽ)しているわ。人間にはこのかっこうが大人気みたい。

 

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